富良野岳には妖精がいる

十勝トリップ最終日です。
3日間てなんて早いんだろう。

富良野岳に行ってきました。

昨日の嵐がこの山にたくさんの羽を落としていったようです。

羽をかき分け深い深い森の中へ進んで行くこと約2時間。

木々の姿がなくなりさらにカリカリの雪にスキンを食い込ませアルパインエリアへ。

森が終わると横から吹き付ける風に頬の感覚を持っていかれ、まつ毛に氷が張り付いてきました。

白く霞んだ視界が開けると大きな沢地形のオープンバーンが目の前にありました。

吹き溜まった斜面のウィンドスラブを警戒しながら滑り込むとパフっとスキーを持ち上げられるような柔らかい感触がしました。

大きなターンを繰り返し沢を滑りました。

うん、なかなか、

森の中に戻ると風はなく、そっと息を吹きかけただけで舞い上がる羽のような雪。
そして、森の中は暖かくさえ感じました。

スッとスキーを下に向け、滑り出したとたんに吸い込んで噎せ返るような羽が顔にまとわりつきました。

上越国境の谷川連峰では味わえない雪。

深い森と人を遠ざけるような山。

この山は特別な雰囲気や気配さえ感じるようでした。

きっと山を守る何かが住んでいるんだろうな。

疑わずにそんなことを考えていました。

十勝トリップは、純粋に山スキーの魅力を感じ、スキーで山へ入って行く気持ちよさと楽しさを思い出させてくれました。

また来年、必ず来ようと思います。

一緒に滑ってくれたみなさん、温かい新得町のみなさん、また愛されている山を滑れたこと。

ありがとうございました。

KTN Kenichi